奥大井湖上駅・日本一短いトンネル・蒸気機関車 |

静岡県の大井川に沿ってオートバイを走らせる。
前日の雨のせいで冷えるかと思ったが、予想に反して暖かい日和となった。
どうやらグリップヒーターを使うことも無さそうだ。
蒸気機関車が折り返す駅を越えると、道の脇には民家は無くなり山道となる。
ボクの前を走るハーレーダビットソン・スポーツスター。
路上に散らばる枯葉たちを巻き上げながら、右に左に山道を駆け抜けて行く。
知らない間に秋も深まりつつあるんだね。
舞い上がる落ち葉たちがそれを教えてくれてるみたいだ。
思ったより早い冬の知らせを見て、この夏オートバイに乗らなかった事を後悔した。
ボクらはローカル線の小さな駅を旅の目的地に、オートバイを走らせている。
*******************************************
『奥大井湖上駅』

ツーリングの目的地は陸の孤島と呼ばれる『奥大井湖上駅』だ。
オートバイを走らせることに夢中になっていると見過ごしてしまうような案内看板しかない。
思わずここが?と疑ってしまうような側道を降りて行かなければ辿りつけない場所にある。

ビューポイントから眺めると、接阻湖に突き出た小さな半島に駅だけ存在する。
山深いダム湖の湖上に駅だけがあり、ここで列車を降りても何処にも行けない。
乗客は何の目的があって乗り降りするのだろうか?
民家も無いここに、なぜ駅あるのか不思議に思う場所だ。

高さ70メートル、湖上に架かる鉄橋を渡り不思議な駅へ行ってみた。


この路線はアプト式鉄道と呼ばれる小さな列車が停まるという。
静かな湖上の駅、のんびりと過ごしてる間には列車の停車する事は無かった。

ボクらは無人駅の静けさと山深さに満足してオートバイに戻る事にした。
**********************************************
『日本一短いトンネル』

蒸気機関車が未だに走る大井川鉄道には日本一短いトンネルがある。
県道63号線をオートバイで走りながら、茶畑を眺めているとそれは目に飛び込んできた。

この時も通り過ぎてしまったが、オートバイを戻して近くまで寄ってみた。
地名駅を過ぎてすぐの茶畑の中にそのトンネルは建っている。
小さいから本当に建っているという感じだ。

ツーリングの途中で思わず出逢った小さくて可愛いトンネル。
のんびりその傍らにいると、列車がゆっくりと過ぎていく。
牧歌的な感じでなんだか心が和むような気がした。
*************************************************
『蒸気機関車と出会う』
今日のツーリングは大井川鉄道の線路に沿って走るルートをとった。
どこかで蒸気機関車を見たいものだと思っていたけど時刻表などは調べていない。
スポーツスターの友人が『必ず見れる』と根拠も無いのに自信ありげに言う。
途中で汽笛に振り向くと、大井川の対岸を黒い煙を吐き出し走るSLに追い抜かれた。
静かな期待とともにオートバイを走らせる。

千頭駅に着くと、そのSLは静かに煙を吐きながら停まっていた。
スポーツスターの友人が得意そうに笑う。

ワットの発明した蒸気機関は産業革命をもたらし、
スティーブンソンが蒸気機関車へと発展させた。
そして内燃機関はガソリンエンジンへと変わりモータリゼーションは大きく発展して行った。
旧くて黒い蒸気機関車とVツインエンジンのアメリカ製のオートバイ。
ハイブリットな自動車が普通に走るような時代となった現在。
ハーレーダビットソンというオートバイも100年以上の歴史を持ち、
現代の交通事情にさらされ進化しつつも昔と変わらぬスタイリングを守っている。
機関車の厚く塗り重ねられた黒光りするボディと大きな動輪たち。
それはまるで古き良き時代の象徴みたいだ。
機関車という存在は時代遅れの頑固さも感じてしまう。
だけどノスタルジックな感傷がボクを親密な気分にさせる。
人に振り回される商売の日常にうんざりしてるボクには、
頑固さというものがとても好ましく思えるな。
だけど、ボクの独りよがりの感傷なんか気にもしてないというように、
年老いた機関車は煙を穿いて静かに佇んでいる。

蒸気機関車が経てきた歳月に敬意を込めて、ボクのオートバイと記念撮影だ。
僕も走っているところは見たことがないっす。
見てみた~い!
いちもんぢ
先日何かのテレビ番組で見たのですが、今日本でSLのレストアができる会社は、唯一大阪にある町工場だけなのだそうです。
職人さんたちもかなり高齢になっていたので、なんとか技術を伝承して行って欲しいですね。
蒸気機関車って良いですよね。
ボクも本当に動く機関車は初めて見ましたが、なかなか萌える所一杯でした。
大井川鉄道は実際に乗れちゃったりもしますのでいつかツーリングとかでいかがでしょうか?
おまけにこの辺りは長閑でお茶所で言う事なしでした♪
ノスタルジックな蒸気機関車は素敵ですが、やhりそういう問題があるんですね。懐かしさだけでは維持していくのは難しいけど、無くすには惜しいですね。仰る通り技術を伝え維持して欲しいものです。
この千頭駅には人力転車台で機関車を回転させる所やSL資料館も有ったんですが回転するところはさすがに見れませんでした。
いつかまた見に行きたいものです。

確かにニヤニヤしてました(笑)
なにせ絶対見れると大口叩きましたから(苦笑)
内心見れてホッとしてたんですよ(笑)
でも僕のラッキボーイっぷりを分かってもらえたと思います!
でも昼飯を食べて、出発する時に偶然聞こえた汽笛の音に
感動しました^ ^いい音だったな〜!ポォォォ〜ッですもんね?
あの瞬間かなり興奮しました(笑)
次回は温泉&ストーブで自炊ツーリングなんてどうですか(笑)
大井川鉄道では蒸気機関車が運行してますが、汽笛を鳴らし煙を吐きながら走る姿も良かったですよ。
是非行ってみてください、おススメです!
写真はありがとうございます。
ハーレーと記念写真ですが機関車に敬意を表してノスタルジックな感じにしてみましたよ。
今回の記事はいつもと違ってエッセイ風に決めてみました(笑)
確かにラッキーボーイでしたね、それをあんな表現にしてみましたよ。でも予言通りでおみそれしました(o^-')b
あの遠くから聞こえてきた汽笛、感動的でしたね~!
情緒もあるしSLってとても良いものですね。
寒くなってきましたし、温泉の企画は素晴らしいですね。
そして熱々の自炊ツーリング、是非いきましょう!